◯遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から、1年間行使しないときは、時効によって消滅する。
(1042条前段)
相続開始の時より10年を経過したときも同様である。
(1042条後段)
◯1042条前段の「減殺すべき贈与があったことを知った時」とは、
贈与・遺贈があったことを知り、かつ、それが遺留分を侵害して減殺できるものであることを知った時をいうとするのが判例である。
(大判明治38年4月26日民録11輯611頁)
◯なお、1042条は遺留分減殺請求権そのものを対象とする規定であり、
遺留分減殺請求権が行使された結果として生じた目的物返還請求権は、
1042条の消滅時効にはかからない。
(最判昭和57年3月4日民集36巻3号241頁)